<画像引用元:RENOTE [リノート]>
ただのエイリアンものじゃなかった
映画が大好きです。もじやま(@mojiyamacinema)です。
今回は『ライフ』をレビューしていきます。
本作は宇宙船内で凶悪なエイリアンから生き延びるためにクルー達が奮闘するSFサバイバル。
こう聞くとよくありそうな内容に思えますが、実際に観てみるとひと味違った魅力を持っています。
特にエイリアンの造形と動きがポイント。
半透明のヒトデのような姿で、生物を捕食したり、水分を得るごとに少しずつ大きくなるようです。
“それ”が床や壁をペタペタと這うように移動し、通気口の中など狭いところも軟体を活かして通り抜けます。
その様子がさながら家に出たら嫌なあのGに似た恐怖を感じるんですよね。
凶暴さと小型だからこその嫌悪感を兼ね備えたデザインになっています。
また、今回はネタバレしないように紹介するので詳細は省きますが、秀逸なラストにも要注目です。
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本ページの情報は2021年3月時点のものです。
最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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もくじ
『ライフ』の監督・キャスト
監督/ダニエル・エスピノーサ
<キャスト>
ローリー・アダムス/ライアン・レイノルズ
デビッド・ジョーダン/ジェイク・ギレンホール
ミランダ・ノース/レベッカ・ファーガソン
ヒュー・デリー/アリヨン・バカレ
ショウ・ムラカミ/真田広之
エカテリーナ・キャット・ゴロフキナ/オルガ・ディホヴィチナヤ
あらすじ
世界各国から6人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに集結し、火星で採取された地球外生命体の細胞を極秘調査することに。まさに神秘としかいいようのない地球外生命体の生態に驚がくする彼らだったが、細胞は次第に進化と成長を遂げ高い知能を誇るようになる。やがて地球外生命体に翻弄(ほんろう)され、宇宙飛行士たちの関係が揺らぎ始め、ついには命を落とす者も出る。助けを呼べない宇宙で追い詰められた彼らは……。
シネマトゥデイより引用
『ライフ』を観た感想
凶悪エイリアンから生き延びるというSF映画としてはかなりありふれたテーマの作品。
そのため劇場公開された当時、わざわざ劇場へ足を運ぶこともしておらず、観るのを後回しにしていました。
しかし、その後ディスクを購入して観た結果、予想を裏切る内容に驚かされました。
まず冒頭でも述べたとおり本作に登場するエイリアン、”カルビン“のデザインが今までにない嫌悪感を秘めていること。
リドリー・スコット監督の「エイリアン」のようなモンスター的な恐ろしさというよりは、小型で柔軟性と俊敏性を兼ね備えているゆえの家に出たら嫌なあのG的な気持ち悪さ。
これがとても新しい体験でした。しかも知能が高く、敵としてかなり強力なのもポイント。
カルビンのデザインや習性などが特に感動した部分なので、この後の詳細な感想でもこれを中心にお伝えします。
ちなみに、俳優やスタッフたちについても少し触れておくと、無重力の宇宙船内を移動する演技にこだわったとのことです。
2人のスタッフが1人の俳優が繋がったワイヤーを操り、俳優のほうは自然な動きになるよう調整。
この俳優とスタッフの共同作業によって絶妙な動きが作られているんですね。
宇宙船内での動きについては、NASAが提供した映像を見てじっくり研究したそうで、かなりの力の入れようです。
何も考えずにやるとまるで幽霊のようになってしまうとのことで、一定のスピードを保ったり、無重力空間ながらも細かい動作は普段どおりの感じを出せるように俳優陣は訓練を重ねました。
それではここから作品内容について、ネタバレなしで詳細な感想に移ります。
可愛がっていた地球外生物が凶悪な本性をあらわす

火星の探査を終え、そこで採取された地球外生命体を研究するクルーたち。
はじめは微生物ほどの大きさだった”それ”は栄養を与えることで少しずつ大きくなっていきます。
地球以外に生物がいることの決定的な証拠として喜ぶクルーたち。
その後、名前を募集して”カルビン“に決定。
名前もついてより愛着が湧いていたところでしたが、ある日事態が一変します。
ヒトデのような形に成長したカルビンが研究にあたっていたヒューを襲撃。
小さいからだからは想像もつかないパワーで彼の右手を握りつぶし、実験用のケースから脱出。
ここからカルビンとクルーたちの死闘がはじまることに。
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G的な嫌悪感と恐怖を感じるエイリアン

カルビンはヒトデのような形の半透明な軟体で、あらゆるすき間をくぐり抜ける柔軟性をもっています。
それでいて一度掴まれたら抜け出せないほどの力があり、締めつけて骨まで砕くことも。
そしてペタペタと素早く這いずり回りながら宇宙船内を移動する様はまるでG。
どこに潜んでいるかわからない、一度捕まれば最後という恐怖。
単なる凶暴さだけではなく、G的な嫌悪感を感じるところが他作品に登場するエイリアンとの相違点かなと思います。
変幻自在のからだに強大なパワーをもった地球外生物といえば「ヴェノム」を思い出しますが、残念ながら彼のようなダークヒーローにはなってくれそうにありません。

なお、本作の製作には微生物学者が参加しており、カルビンのモデルは粘菌だそう。
粘菌は一つ一つ独立して生きられる細胞が複数合わさって一つの実体を形成するもの。
キノコなんかもそういうつくりですが、粘菌の場合はアメーバなどのように動いて微生物を捕食したりします。
これをベースにもっと大きくなって人間も捕食するようになったらどうなるだろう、と考え出されたのがカルビンというわけですね。
そして、作中においては見た目や凶暴性とは裏腹に知能が高いことがクルーたちを苦しめます。
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宇宙船という密閉空間での戦いで高い知能を発揮する

カルビンと名付けられたエイリアン、それはクルーたちが想像もしなかったパワーと俊敏性を持った凶悪な生き物でした。
しかし、カルビンの恐ろしさはそれだけではありません。
これだけ凶暴な上に非常に高い知能を持っているのです。
例えば、はじめにカルビンが実験ケースから脱出する際は、実験を行なっていたヒューがケース内に持ち込んだ棒を使ってケースに取り付けられていた強固な手袋を破って穴を空けます。
その後実験室から脱出する際には、自身に向けられた火炎放射器を利用し、消化剤散布用のダクトが開いたところを見計らって抜け出します。
単細胞生物の集合体であるカルビンがここまでの知能を持っているはずないだろう、とツッコまれればまあそうなんですが、そこはSFなのでお許しを。
こんな具合でカルビンは力と知能を併せ持ったとんでもない強敵なわけです。
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ヤツを地球に持ち込んではならない・・・待ち受ける胸糞ラスト

誰の助けもない宇宙で頼れるのはクルーの仲間のみ。
クルー6人 VS 凶悪エイリアン1体で幕を開けるサバイバルですが、着実に殺されてゆく仲間たち。
しかもただ生き残るだけではなく、カルビンが地球に到達しないようにしなければなりません。
そのためには宇宙船内で仕留めるか、地球から遠く離れたところへ連れて行くしかありません。
詳細は伏せておきますが、ラストはハッピーエンドとは言えないものです。
残されたクルーがどのような選択をするのか、そしてそれがどのような結果をもたらすのか最後まで目が離せません。
おそらくラストに差し掛かる頃、「ああ、よくある展開だな」と思われるでしょう。
そんな気持ちを思いっきりぶち破るラストが待っているのでこれからご覧になる方はお楽しみに。
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みんなの評価
他サイトでの評価は以下のとおり。
Filmarks/星3.5
Yahoo!映画/星3.32
映画.com/星3.3
まずまずといった評価です。高評価のコメントでは「ラストが秀逸だった」というものが多く、低評価のコメントでは「胸糞すぎる」「宇宙飛行士たちが無能だった」というものが多いです。胸糞すぎて低評価を押されるのは製作陣としては名誉でしょうね。

まとめ
ここまでをまとめると、
宇宙船内に6人のクルー、1体のエイリアン
G的な嫌悪感と恐怖を感じるデザイン
力だけでなく知能も高い凶悪すぎる難敵
いかがだったでしょうか。
久々に超良作なエイリアンものを観たなという感じです。
エイリアンのデザインや動きなどが今までに感じたことのない恐怖と嫌悪感をもたらしてくれました。
そのおかげで劇中まったく飽きさせずにラストに向かってくれます。
そして、さらに特筆すべきは秀逸なラスト。エイリアンのデザインもさることながら、この脚本にも大満足です。
それでは!
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