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【トランセンデンス】スワンプマン問題に答えを示す?AIと一体化した男【あらすじ&感想】

<画像引用元:WIRED

彼は確かに彼だと言えるか?

 

映画が大好きです。もじやま(@mojiyamacinema)です。

今回は『トランセンデンス』をレビューしていきます。

天才科学者のウィルが死ぬ間際、自身もまた科学者である妻のエヴリンが彼の脳をAIにコピーするというお話。

「ダークナイト」「インターステラー」などで知られるクリストファー・ノーランが製作総指揮を務め、人の脳をAIに移し替えるという設定も面白い作品。

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しかし、AIが暴走する展開が平凡だと評価する人が多いようです。

僕は本作を観て、見どころは他にあると思いましたのでそのポイントを押さえながらご紹介します。

 

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死ぬ間際の天才科学者の意識をAIに移して延命

無数のナノロボットや修復の様子が楽しい

スワンプマン問題に似た状況、奥深いテーマが魅力

『トランセンデンス』の監督・キャスト

[上映時間:119分]

監督/ウォーリー・フィスター
脚本/ジャック・パグレン
製作/クリストファー・ノーラン 他

キャスト

ウィル・キャスター/ジョニー・デップ

エヴリン・キャスター/レベッカ・ホール

マックス・ウォーターズ/ポール・ベタニー

ジョセフ・タガー/モーガン・フリーマン

ブキャナン捜査官/キリアン・マーフィー

ブリー/ケイト・マーラ

あらすじ

人工知能PINNの開発研究に没頭するも、反テクノロジーを叫ぶ過激派グループRIFTに銃撃されて命を落としてしまった科学者ウィル(ジョニー・デップ)。だが、妻エヴリン(レベッカ・ホール)の手によって彼の頭脳と意識は、死の間際にPINNへとアップロードされていた。ウィルと融合したPINNは超高速の処理能力を見せ始め、軍事機密、金融、政治、個人情報など、ありとあらゆるデータを手に入れていくようになる。やがて、その進化は人類の想像を超えるレベルにまで達してしまう。

シネマトゥデイより引用

『トランセンデンス』を観た感想

初めは正直、ヒトの脳をAIに移植?そんなんばかげてる、話がぶっ飛びすぎと思ってました。

でも実際に観てみると色々と魅力が詰まった作品だなと感じました。

AIと一体となったウィルが操るナノロボットたちが砂埃のように舞い踊る映像はSF感たっぷりで楽しいです。

そしてストーリーのほうはというと、単にAIが暴走して世界に危機が訪れるというだけではなく、注目すべきはAIと一体となったウィルを確かに彼だと断定できるのか?という奥深いテーマで、これが本作最大の魅力だと思いました。

天才科学者ウィルが凶弾に倒れる

トランセンデンス<画像引用元:映画.com

ウィルとエヴリンのキャスター夫妻は2人とも優秀な科学者。

ある日、夫ウィルはスポンサー主催の講演を行うことに。

しかし、講演が終わった後見知らぬ男にウィルが撃たれてしまいます。

男は反テクノロジー組織の一員で、テクノロジーで世界に貢献しようというウィルを襲ったのでした。

なんとか軽傷で済んだウィルでしたが、その後容体が急変。

なんと銃弾には放射性物質が仕込まれており、たとえかすり傷でも当たればただでは済まない代物でした。

犯人の殺意がすごいですね。確実にウィルを仕留める気だったようです。

“トランセンデンス”とは?妻エヴリンの決断

トランセンデンス<画像引用元:Yahoo!映画

ウィルは講演でこのような内容を論じます。

「AIがネットワークにつながり、感情や自我を備えた時どうなるか?」

彼はそのときのことを”トランセンデンス“と呼んでいるとのこと。

“トランセンデンス(Transcendence)”は和訳すると”超越”という意味。

通常、AIは人間の与えた命令を実行するだけのところ、人間と同じように感情や自我をもってこれまでのAIを超越するということでしょうか。

響きがかっこいいですね。「あ、おれ今トランセンデンスしたわ」って言いたいですね。

ウィルは放射線の体内被曝により4〜5週間ですべての身体機能が停止すると医師の宣告を受けてしまいます。

そこで妻エヴリンはウィルの意識をAIに移し、“トランセンデンス”を実現してやろうと計画します。

これでウィルを人間の身体から解き放ち、生きながらえさせようというわけですね。

このために、夫婦で開発していたスーパーコンピュータ”PINN“を利用します。

テクノロジーの力で生まれ変わるウィル

こっそりラボからPINNの一部を持ち出したエヴリンは友人であり、同じく科学者のマックスの手を借りながらウィルAI化の作業に取りかかります。

ウィルは衰弱が進み、何日にも渡る作業の最中で死亡してしまいますが、なんとかPINNへのアップロードは成功。

そして、ウィルが自分の意思で音声を発したり、自身の表情も映し出します。

さらには問題のある部分を自分で再プログラミングしてしまいます。

スーパーコンピュータの演算能力を得た彼には朝飯前の作業というわけです。

この能力はうらやましいですね、大学受験期にほしかったです。

ウィルの復活に大喜びするエヴリンでしたが、協力していた友人マックスはこれに疑問を抱きます。

彼からすれば、本当に”これ”をウィルだと断定できるのか?と思ったのです。

マックスのこの疑問がはじめにお伝えした、AIと一体化したウィルを確かに彼だと断定できるかどうかという本作の大きなテーマにつながるわけです。

これについては後ほど詳しく触れたいと思います。

AIと一体化したウィルがとった行動とは

トランセンデンス<画像引用元:映画.com

ついにAIと一体化し、人間としての意思を持ちながらも高い能力を得たウィル。

さて、彼はどんな行動に出るでしょうか。

まずはエヴリンを遠方のさびれた町に誘導しつつ、巨大なソーラーパネルや資材を運び入れます。

ちなみにネットにつながっている彼はあらゆる端末に移動できるので、エヴリンのスマホはもちろん、その辺のPCなどにもひょっこり出てきます。便利ですね。

それから、エヴリンを連れてきた町はウィルが操作した株取引によって得た莫大な資金で町ごと買収しました。豪快すぎる。

それから2年が経過し、巨大な研究施設ができあがっているのでした。

ウィルがもたらす常識を超えた世界、映像表現が楽しい

ウィルは完成した研究施設の中で様々な研究を始めます。

特に注力しているのがナノロボットの開発。

それはあらゆるものを素早く再生する技術で、機械だろうと人間の身体だろうと関係ありません。

しかも人間の場合、再生ついでに強化もできちゃいます。

例えば、怪我をした人を治したらとんでもない怪力になったり。生身のサイボーグって感じですね。

このナノロボットですが、モノを直すときは大量に稼働させる必要があるのか、砂嵐のように舞い上がりながらじわじわと壊れた部分を修復します。

このときの映像がしっかり作り込まれていて、SF感がすごい。

ゲームやアニメに出てくる再生能力みたいな感じで、いきなりじゃなくじわじわと修復される様子が楽しいです。

“それ”が彼だと断定できるか?スワンプマン問題に切り込む

トランセンデンス<画像引用元:Yahoo!映画

さて、ここからが一番お伝えしたい本作の魅力。

少し長いかもしれないですがお付き合いください。

本作最大の魅力はAIと一体となったウィルが確かに彼だといえるのか?という問題を含んでいること。

かなり考え深いテーマだと思いませんか?

人間のからだは失われ、意識だけを維持しているウィルに対し、妻エヴリンとともに作業を行なっていた友人のマックスは疑問を抱いていました。

その後、終盤ではウィルがなんと自分自身の肉体を一から作り出してその脳に意識をつなげます。

こうなるともう、意識も身体も彼そのものになるわけです。

ここでひとつ、哲学の話をしたいのですが、みなさんは”スワンプマン問題“をご存知でしょうか?

スワンプマンというのは以下のような空想の産物です。

ある男がハイキングに出かける。道中、この男は不運にも沼のそばで、突然雷に打たれて死んでしまう。その時、もうひとつ別の雷が、すぐそばの沼へと落ちた。なんという偶然か、この落雷は沼の汚泥と化学反応を引き起こし、死んだ男と全く同一、同質形状の生成物を生み出してしまう。

この落雷によって生まれた新しい存在のことを、スワンプマン(沼男)と言う。スワンプマンは原子レベルで、死ぬ直前の男と全く同一の構造を呈しており、見かけも全く同一である。もちろん脳の状態(落雷によって死んだ男の生前の脳の状態)も完全なるコピーであることから、記憶も知識も全く同一であるように見える。沼を後にしたスワンプマンは、死ぬ直前の男の姿でスタスタと街に帰っていく。そして死んだ男がかつて住んでいた部屋のドアを開け、死んだ男の家族に電話をし、死んだ男が読んでいた本の続きを読みふけりながら、眠りにつく。そして翌朝、死んだ男が通っていた職場へと出勤していく。

Wikipediaより引用

どうでしょうか。面白い話ですよね。

スワンプマン問題というのは、この沼から生まれたスワンプマンは死んだ男だと認められるか?というもの。

そこで、ウィルもこのスワンプマンに似た存在じゃないかとピンときたんですよね。

彼は死にゆく中、エヴリンとマックスによって人間の肉体から意識をAIにコピーされたわけですが、そうなると人間のほうは肉体とともにオリジナルの意識も死んだと言えます。

しかしコピーした意識はそれまでの記憶や性格など、すべて元の彼のままです。

さて、AIと一体化した彼は確かにウィル・キャスター本人であると言ってよいのでしょうか?となるわけですよ。

はじめは信じ切っていたエヴリンも次第に疑問が湧いてくるようになります。

最後にはこの問題にどんな答えが示されるのか、ぜひ注目してみてください。

みんなの評価

他サイトでの評価は以下のとおり。

Filmarks/星3.2

Yahoo!映画/星2.90

映画.com/星3.0

話の流れが難しくてよくわからなかったという人が多いですが、進化しすぎたAIの恐怖が見られてよかったという意見もあります。

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まとめ

ここまでをまとめると、

死ぬ間際の天才科学者の意識をAIに移して延命

無数のナノロボットや修復の様子が楽しい

スワンプマン問題に似た状況、奥深いテーマが魅力

いかがだったでしょうか。

単なるAIの暴走を描いた作品と言われるとよくある内容ですが、真の魅力は他にあります。

AIと一体となった男は確かに本人だと言えるのか?

とても深いテーマをもった作品になっています。

ぜひ鑑賞しながら考えてみてください。

それでは!

 

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