<画像引用元:CINEMA NOTE>
死神を騙した罪は重い
映画が大好きです。もじやま(@mojiyamacinema)です。
今回は『トライアングル』をネタバレありで解説していきます。
本作はシングルマザーの主人公ジェスが友人とともに迷い込んだ豪華客船で永遠に繰り返すループにはまってしまうという内容。
登場人物の数や上映時間等、かなりコンパクトな作品ながらも作り込まれた映像にはいくつか伏線が散りばめられています。
まずはそれら伏線の紹介をしつつ、内容でわかりにくい部分を解説していきたいと思います。
では参ります。

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もくじ
序盤の映像に隠された伏線たち

まずは作品序盤の映像に隠された伏線についてご紹介します。
息子に語りかけるジェス
冒頭、ジェスが息子を抱きしめながら何やら優しく語りかけるシーンから始まります。
しかも彼女は泣いているようです。
本作を最後まで観ればわかるとおり、ジェスは本当はちょっとしたことでヒステリックに怒り出すような悪い母親でした。
その行いを悔いて、ラストシーンでは元々の自分自身を殺してしまいます。
とすると、冒頭のシーンでの彼女は現実の彼女ではなく、これまでの自分の行いを悔い改めている姿ということになります。
ラストシーンでは車に乗っていたジェスは息子と共に事故で死亡してしまいます。
この冒頭のシーンにいるのはループに入っているジェス、はたまた死後の世界で彼女が息子に対して懺悔している様子なのかもしれません。
プールに浮かぶヨット
同じく冒頭のシーンの中で、プールに浮かぶおもちゃのヨットが映し出されます。
よくみるとそのヨットは逆さまに水に浸かっており、その後ジェスたち一行を乗せたヨットが嵐に見舞われて転覆する様子になっています。
これはまさにこれから起きることをダイレクトに表していると言えますね。
道路の看板に書かれた文字
ジェスが息子を車に乗せて走り出すシーン、道路の看板に”Good bye Please Return”という文字が書かれています。
「またね。もどってきてね。」ということが書かれていますが、これはこのループ地獄を表しており、ジェスが何度も同じことを繰り返すことを示唆しています。
さらに言えば、この言い方は強制するような、または予言するような感じはしないので、あくまでもジェスが彼女自身の意思で戻ってくることを意味しているようにも思えます。
実際、ラストシーンではループが続くことをわかっていながら自ら船着場へ向かいます。
ジェスは死神が与える罰を受けていた

作中、死神を騙したことで受ける罰のくだりがありました。
死神を騙したことで永遠の罰を受けるというアイオロスの神話
本作の要の存在とも言える、ジェスたちが偶然にも乗り込んだ豪華客船ですが、名前はアイオロス号といいます。
船内を皆で探索している際にその船名を示すものを見つけていました。
また、そのときに仲間の1人サリーが”アイオロス”にまつわる神話について語っています。
アイオロスは風の神とのことで、風の恩恵を受けたい願掛けと考えると、いかにも船の名前っぽいですね。
サリーによれば、死神を騙した者にアイオロスが罰を与えたという神話があり、その内容は大きな岩を山頂まで運ぶとそれを山のふもとまで落とされ、また運ぶ・・・ということを繰り返し行わせるものだといいいます。
ここで登場した神話を詳しく調べてみると以下の通り(ウィキペディア見ただけですが・・・)。
アイオロスという名はギリシャ神話で複数登場し、風の神であるアイオロスはそのうちの1人。
それとは別人のテッサリア王アイオロスの息子シーシュポスが神を2度も騙したことで岩を繰り返し運ぶ罰を受けることに。
シーシュポスが騙した神の1人タナトスは死そのものを神格化した神。もう1人のペルセポネーは冥界の女王たる神。
参考:wikipedia
そうなると、作中でサリーが言っていた話は少し改変されている感じがありますね。
まず、”アイオロス”については風の神であるアイオロスが関わっているわけではありません。
また騙した死神について、死そのものを神格化した神や冥界の女王等、私たちが普段想像するような”死神”とはちょっと違う気がします。
まあ、ここまで言っておいてなんですが、あくまでも映画の中の話ですので実際観るときは細かいことは気にしないでおきましょう。
とにかく、サリーの言った通りの話になぞらえるならば、ジェスも死神を騙して罰(ループ)を受けているわけです。
ラストシーンで登場するタクシードライバー=死神
ラストシーン、ジェスが息子を連れて車を走らせますが不運にも事故に遭ってしまいます。
気がつくとなぜか彼女だけ無傷で助かっており、そばには謎のタクシー運転手が佇んでいます。
彼に促されてジェスはそのタクシーに乗り、またあのヨット乗り場にたどり着くのでした。
1度観た方ならおおよそ察しがついているかもしれませんが、このタクシー運転手こそヘザーに罰を与えている死神だと言えます。
タクシーを降りる彼女に「また戻ってくるんだろ」と問いかける運転手(死神)に対して、ジェスは「戻ってくる」と応えてヨットへ向かいます。
これはジェスが再び生きている息子の元に戻ってくることを言っているわけですが、これによってループが続き、彼女は繰り返し息子を失うことになります。
このループに終着点はあるのか?

終わりのないループ地獄に落とされたジェスはその後どうなってしまうのでしょうか。
ループは客船の中だけではなかった
はじめはジェスたちが乗り込んだ客船の中で起こっているループと思われましたが、運良く船を脱出したジェスはこれが客船の中だけのものでないことを目の当たりします。
家に帰ったジェスは息子を連れて車を走らせますが、途中で鳥を轢いてしまいます。
その亡骸を道の脇に投げようとしますが、そこには同じ鳥の亡骸が無数に積み上がっていたのでした。
ここでジェスはあの客船を脱出してもなお、ループの中にいることを知り、しかももはやこの世界全体がその舞台になっていることを悟ることになります。
生きている息子に会うため、再びループへ・・・
ジェスはこのループが世界全体に渡ったものだと知りましたが、そのはじまりはあのヨット乗り場。
そこに行かなければループから逃れられるかもしれません。
しかし、それでも結局彼女は再びヨット乗り場に向かうことになります。
息子の死、そして彼にひどい態度をとっていた自分自身を見つめ直したジェスは生きた息子に会うために自らループにはまったのでした。
このループに終わりは訪れるのか?
このループの本当のはじまりはジェスが息子と共に交通事故で死んだとき。
そのとき彼女は自身の振る舞いと息子を死なせてしまったことを悔いて、この世に留まろうとしました。
おそらく、このようにして死神を騙すことになったのでしょう。
そして、生きている息子に会うことができるも結局同じように死なせてしまい、再びヨットへ・・・。
ジェスはなんとか息子を死なせずに済むパターンを見出そうと奮闘するわけですが、もう少しのところで死なせてしまい、振り出しに戻ることになります。
まさに作中に登場したアイオロスの神話における、岩を山頂に運ぶもふもとに転がり落ちる様と同じようなことになっていますね。
ジェスはおそらく何度でも息子のためにこのループにのめり込むでしょう。
彼女が諦めることがない限り、このループは永遠に続くのだと思います。

まとめ
ここまでをまとめると、
序盤に隠された伏線に注目
アイオロスの神話は実際のものとは少し違うかも
死神の罰を受けるジェスはおそらく永遠にループから抜け出せない
いかがだったでしょうか。
1回観るだけでも面白いのですが、いくつも伏線が隠された本作はぜひとも2回目を観ていただきたいです。
また、1度最後まで観てからもう1度序盤のシーンを観ると、ジェスの様子に納得がいくと思います。
ここまであれこれ解説しましたが、本作はかなり観る側に考える余地を残した作品だと思いますので、ぜひ皆さんも自分なりの解釈で楽しんでみてはいかがでしょうか。
それでは!
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