<画像引用元:映画.com>
このループから逃れる方法は・・・
映画が大好きです。もじやま(@mojiyamacinema)です。
今回は『トライアングル』をレビューしていきます。
他にも同名の映画がありますが、こちらはイギリスとオーストラリアの共同制作です。
内容のほうは、豪華客船の中で何度も殺人が繰り返されるループスリラー。
ループものの映画ってかなり脚本力が問われると思うんですよね。
とにかくループさせるだけ、という適当なつくりではみなさんは満足しないと思いますが、本作の特徴はしっかりとした伏線回収。
残さず伏線を回収するので、「もしかしてあれも伏線だったの?」と後から気づくこともしばしば。
まさか鑑賞者が繰り返し本作を観ることになるというループまで発生させるとは・・・。
やっつけ仕事のループものなんかじゃございません。
パズルのように組み立てられたストーリーが好きな方におすすめです。
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本ページの情報は2021年3月時点のものです。
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もくじ
『トライアングル』の監督・キャスト
監督/クリストファー・スミス
<キャスト>
ジェス/メリッサ・ジョージ
グレッグ/マイケル・ドーマン
サリー/レイチェル・カーパニ
ダウニー/ヘンリー・ニクソン
ヴィクター/リアム・ヘムズワース
ヘザー/エマ・ラング
トミー/ジョシュア・マコルヴァー
あらすじ
ある日、ヨットでセーリングに行くことになった男女6人。
その内の1人、主人公のジェスは小さな息子をもつシングルマザー。
たまには息抜きをということでこのセーリングに参加することに。
帆を張り、順調に航海を進めていた矢先、突然雨雲が広がって嵐が一行を襲います。
激しい風と波に見舞われ、必死にヨットにしがみつく一行でしたが、乗り合わせていたヘザーが波にさらわれてしまいます。
5人となってしまったジェスたちはなんとか嵐を乗り切ったものの、転覆したヨットの上で遭難。
途方にくれる中、目の前に突如として大きな客船が登場。
中にいる人に助けを求めるべく一行が乗り込むも、テーブルの上に料理が置いてあったりと、人がいた形跡はあるものの誰もいない様子。
そんな折、ずた袋を被ってライフルを持った謎の人物が5人を襲います。
仲間が次々と殺され、ついに1人になってしまったジェスはなんとか殺人鬼を海へ突き落として撃退。
その直後海の方から助けを呼ぶ声がして見てみると、そこには転覆したヨットの上で困り果てた様子の男女5人。
そう、この大きな客船に乗り込む直前の自分たちでした。
ありえない光景に動揺するジェス。果たしてこの船で何が起こっているのか。
『トライアングル』を観た感想
正直、はじめはパッケージのビジュアルなどにB級っぽさを感じて、当たりはずれが激しそうだなと思っていました。
ところが実際に観てみるとこれが大当たり。
上映時間99分と短めのループもので、舞台もほぼ一隻の豪華客船の中だけで展開します。
豪華客船といってもなぜか人の気配のない幽霊船で、登場人物はそこに偶然たどり着いた主人公たち5人のみ。
これだけコンパクトなつくりの中に計算し尽くしたループ構造が詰まっていて、多くの伏線と、それをしっかり回収する描写が含まれています。
ループものって最近ではもうやり尽くされたテーマなので、僕も含めて観る人の目が厳しくなってるんじゃないかと思うんですが、本作は見事な作り込みで満足させてくれました。
豪華客船の中で繰り返されるループスリラー

本作は5人の男女が殺人鬼に襲われる、これが何度も繰り返されるループとなっています。
その中で唯一生き残る主人公ジェスがなんとかこの地獄から抜け出そうとするのが本題になります。
ループもの、と聞くと「ありがちだな・・・」と思われるかもしれませんが、本作はかなりの完成度で驚きます。
ジェスは船内で自分が落としたペンダントの山(もちろんジェスはそれを一つしか身につけていません)や、誰かが残したメッセージなど、ループした痕跡を見つけます。
この痕跡たちも伏線の一つになるわけですが、この描写がかなり不気味なんですよね。
特に、仲間の死体が無造作に積み上がったところなどはインパクトばっちり。
大量に張り巡らされた伏線をしっかり回収

ループもので大事なことは何かといったら、伏線回収ではないでしょうか。
これがしっかりしていないとたちまち安っぽい仕上がりになってしまいます。
なんか意味ありげな描写だと思ったらその後の展開にまったく関わっていなかったり、逆に伏線らしい描写が何もなかったり。
ただループものというだけでストーリーをもたせているような作品では深みがありません。
では本作はどうかというと、短めの上映時間ながら多くの伏線を含ませ、そしてすべてにしっかり意味があります。
それでいてわざとらしさもないので、はじめは序盤の伏線が伏線だとわからないかもしれません。
それくらいさりげなく盛り込まれていて、後半で「そういえばもしかしてあれって・・・!」と伏線だったことに気づくようなさじ加減が絶妙です。
序盤はありがちな人物構成にB級っぽさを感じるかも

男女グループがへんぴな場所へ行ってとんでもない目に遭うって結構やり尽くしてる設定ですよね。
そしてその人物構成ですが、主人公は大抵常識ある感じのおとなしめの女性。
さらに主人公を嫌う女性がいて、カップル(夫婦)がいて、主人公に優しくてちょっと気がある男性がいて、自由人の男性がいて・・・と大体こんな感じじゃないでしょうか?
それでいうと本作も似たような構成になっているので、序盤で互いの自己紹介をするシーン(これもありがち)などでちょっとB級感を感じるかもしれません。
他にB級っぽさを感じるポイントとして、時たまスプラッター表現が含まれていることです。
スプラッターというジャンルがそもそもB級の巣窟という感じは否めないので、本作はそこに振り切った内容ではないものの、それだけでB級っぽさを感じる人もいるかもしれません。
しかしそういった印象だけで観ないのはほんとにもったいない作品です。
おそらくB級っぽさを感じるのは序盤だけ、ループが始まってからの怒涛の展開に見入ってしまうこと間違いなしです。
緻密な脚本によるループ構造でラストまで気が抜けない

散々ループのつくり込みがすごいとお話ししてきましたが、ほんとにすごいと思うタイミングはラストまで鑑賞し終えた時です。
ネタバレにならないようにお伝えしますが、この作品のすごいところは確実な伏線回収だけでなく、ループの構造そのものにあります。
この舞台設定を活かして見事に観るものをだます脚本になっており、ラストまで鑑賞してこの作品の全体像がわかったとき、きっと驚くはず。
そして最後まで観終わっても疑問が残る、考察しがいのある内容になっています。
上映時間99分でここまで深みをもたせて満足させてくれる脚本が素晴らしい作品です。
みんなの評価
他サイトでの評価は以下のとおり。
Filmarks/星3.4
Yahoo!映画/星3.48
映画.com/星3.5
なかなかの評価を得ています。それほど知名度が高くない作品ながら、レビュー数はFilmarksが1053件、yahoo!映画が483件、映画.comが21件となっています(2020年2月現在)。完成度の高いループ構造を気に入った方が多いようです。

まとめ
ここまでをまとめると、
確実な伏線回収が魅力のループスリラー
序盤は少しB級っぽさを感じるかも
ラストまで観てようやくわかる作品の全体像に驚く
いかがだったでしょうか。
もしかしたらループものと聞くだけでちょっと警戒するくらいやり尽くしたテーマかもしれません。
しかし、本作は計算された脚本によって高い完成度のループ構造になっています。
伏線回収もしっかりした無駄のない99分間できっと満足できるはず。
じっくり考察したい人にも、短い時間でサクッと鑑賞したい人にもおすすめの作品です。
それでは!
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