解説&考察

【アス】息子ジェイソンはいつから入れ替わっていた?【ネタバレ&考察】

アス

<画像引用元:映画.com

格差社会に切り込む社会派ホラー

 

映画が大好きです。もじやま(@mojiyamacinema)です。

今回は『アス』をネタバレありで考察していきます。

監督のジョーダン・ピールは「ゲット・アウト」でもそうだったように、本作を単なるホラーではなく、社会的メッセージを含んだ作品に仕上げました。

それを示唆するような表現が随所に散りばめられており、それゆえに少しわかりにくいシーンもあったかと思います。

特に、主人公たちのクローンとして登場するテザードはその不気味な挙動も魅力ではあるのですが、彼らのもつ背景について深く知るとより本作が楽しめるはずです。

では参ります。

この記事はネタバレを含みます。まだ観ていない方はこちら↓
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【アス】やっぱり怖いのは人間、もう1人の自分が不気味に襲いかかる恐怖【あらすじ&感想】<画像引用元:映画.com> 同じ姿だが何かが違う 映画が大好きです。もじやま(@mojiyamacinema)です。 ...

 

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魂がないと思われていたテザードたちも1人のオリジナルの人間

アデレードだけでなくジェイソンも入れ替わっていた可能性あり

「Us」というタイトルに込められたメッセージ

格差社会を表すテザードの境遇と生い立ちについて

アス<画像引用元:映画.com

まずは主人公たちのクローンとして登場するテザードの生まれた背景や暮らしについて確認します。

テザードたちの誕生と彼らの暮らす環境

主人公たちのクローンとして登場するテザード。

彼らはクローンとして生まれ、その後地下空間での生活を強制されていました。

そこはアデレード(正確にはレッド)が子供の頃に迷い込んだミラーハウスの地下。

ミラーハウスから地下へ続くエスカレーターは一方通行で、地下から地上へ向かうエスカレータはありません。

ジョーダン・ピール監督が本作において盛り込んだ社会的メッセージとして大きな部分を占めるのが貧困などによる格差社会です。

エスカレーターで一度下へ降りてしまったら2度と上には這い上がれない、まさに現代の貧困問題を表現したものと考えられます。

また、エスカレーターはただ乗って立っているだけで決まった行き先に連れて行ってくれますが、その性質もまた、生まれたときから決められた人生ということを表しているようにも思えます。

テザードたちが唯一食べていた”うさぎ”のもつ意味について

クローンによって生まれ、無理やり地下空間に追いやられたテザードたちは地上の人々とはかけ離れた生活を強いられていました。

彼らがふだん食べていたのは地下空間に唯一存在する食糧であるうさぎのみ。

しかも基本的な道具なども揃っていないような環境ゆえ、まともに調理もできなかったのだと想像できます。

自分の話で申し訳ないですが、僕は田舎出身の身で、親戚の家に行くとよくうさぎの肉が出てきました。

ちょっと小骨が多くて、独特の獣臭もあるので好みが分かれそうですが、きっちり調理すればおいしくいただけます。

しかし、それを生のまま食べるとなれば大分話が変わってきます。

まともに処理しなければ獣臭もすごいでしょうし、下手すれば何かしらの感染症にかかるかもしれません。

そして皆さんが気になるのは「なぜうさぎ?」ということかと思います。

僕も何かしらの象徴なのか?と気になりました。

うさぎは豊穣の象徴とされることもあるほど、繁殖力がとても高い動物だそうです。

そこから考えると、増えすぎてしまったうさぎの都合のいい処理先としてテザードたちに与えていたのかもしれません。

増えすぎて地下空間に送られたのだとすれば、テザードたちと似たような境遇とも言えますね。

誰もやりたがらないリスクの高い仕事をやらざるを得ない貧困層の現実を表しているようにも思えます。

基本的にテザードは言葉を話さない=教育の行き届かない格差

テザードたちはアデレードたち家族の前に姿を現し、言葉を発さず、時にはまるで獣のように追い回します。

テザードたちは基本的に言葉を話せません。

これは、貧困層には教育も十分に行き届かないという格差を物語っています。

ずっとあの地下空間に閉じ込められていたので当然教育機関などなく、もちろん自分たちの中に教えられる者もいません。

そんな中、唯一レッドだけは言葉を話すことができます。

劇中で語られている通り、彼女は元々地上で生きていた本当のアデレードであり、ある程度の教育を受けていたからですね。

 

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オリジナルとテザードの違いについて

アス<画像引用元:映画.com

オリジナルの人々とテザードたち。

アデレードが遭遇したのがミラーハウスであったことが象徴しているようにも思えますが、一方が存在すれば必ずもう一方が存在する、鏡合わせのような関係。

しかし、鏡に映った自分は左右反対の姿で、見た目は同じでも全く同じではありません。

ここではオリジナルとテザードの違いについて考えてみます。

姿は全く同じだが性格は異なる

テザードたちはクローン実験によって生まれたというだけあって、オリジナルの人間と見かけは全く同じです。

しかし、その性格や行動まで同じではありません。

劇中、テザードたちが地下空間にいる間、地上にいるオリジナルとシンクロして同じ動きをしている描写がありました。

まるで貧困層が上流階級にいいように利用されている様子を風刺しているようにも受け取れますが、テザードたちは地上に出てきてからは自分の思うように行動しています。

彼らにもこれまで辿った人生があり、何もかも同じクローンではなく、あくまでも1人のオリジナルの人間だということの主張に感じられます。

テザードたちの名前の持つ意味について

アデレードたち家族と同じ見た目をしたテザード4人は自分たち家族とは違う名前を持っていました。

<オリジナル>  <テザード>
アデレード   → レッド
ゲイブ     → アブラハム
ゾーラ     → アンブラ
ジェイソン   → プルートー

彼らの名前の持つ意味について、強引ですが少し考えてみました。

レッドについて、赤色というのは共産主義、危険などを表しますが、単にアデレードからとったのかもしれません。

アブラハムといえばリンカーンのファーストネーム。奴隷解放宣言を行った彼の名前にちなんだようにとれます。

アンブラはそのままだとどんな意味か想像がつかないのですが、もしかするとアングラ(アンダーグラウンド=地下)が変化したもの?と思っています。

プルートーは冥界を司る神あるいは冥王星という意味ですね。冥界は多くの場合地下深くに一する場所として表現されるので、そこからとったのではないかと想像できます。

魂をもたないから閉じ込められていたテザードたち

テザードたちは魂を持たない者として地下空間に閉じ込められていました。

彼らはクローンですが、前述したように自分自身の考えや欲求を持っており、決して魂を持たない者というわけではありません。

一番大きな証明として、元々地下におり、本物と成り代わったアデレードは普段の様子からは周囲の人間と何ら変わりありません。

勝手に魂を持たないと思われているテザードたちは不当に差別を受けていたわけです。

 

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実は息子ジェイソンも入れ替わっていた?

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ラストシーンで明かされる、アデレードのほうがクローンでレッドが本物だったという真実。

ストーリーをぐっと引き締める衝撃的なラストでしたが、実は息子ジェイソンも入れ替わっているのではないか?という説が囁かれています。

僕が鑑賞したときは全く気づかなかったのですが、色んな方の指摘を拝見すると、劇中でのジェイソンの様子をよくよく見るとそのような節があるのだとか。

初めてテザードに出会った時の反応が淡白だったり、ドライブ中に音楽を聞くシーンでアデレードと同様にうまくリズムが取れていなかったり。

確かにそう言われてみると疑わしいところがあります。

一体いつ入れ替わった?

しかし、問題はいつ入れ替わったのか?ということ。

個人的にそのヒントとなるのはプルートーじゃないかと思っています。

ジェイソンは火花を散らすマジックの小道具を持ち歩いていました。

しかし、去年はできたのに今はできなくなった、と。

これも多くの方がジェイソンも入れ替わっていた証拠の一つとして挙げている部分です。

プルートーのほうは火が大好き、という設定。そして顔には大きな火傷痕があります。

あくまで想像ですが、そこから考えられるシナリオはこうです。

本物のジェイソン(現プルートー)は去年、火花を起こすマジックを行った際に思ったより大きく火が上がってしまいました。

それに巻き込まれて大火傷を負った上、ショックで意識を失います。

そして偶然にもそこは例のミラーハウス付近。

家族からは見えない位置でしたが、小さな破裂音を聞いて近づきます。

彼が倒れている間に成り代わったテザードがジェイソンとして家族の元へ。

倒れていた本物のジェイソンは他のテザードによって地下に連れられ、わずかな物資で手当てを受けます。

まあ、かなり無理があると思います・・・。

 

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その他象徴的に登場する事柄

アス<画像引用元:映画.com

劇中に登場する象徴的な事柄について調べてみました。

エレミヤ書11章11節

序盤から登場する謎の男が持っていた看板に書かれていたり、時計の表示が「11:11」だったりと度々現れます。

これは聖書の一節で、該当する部分は以下の内容のようです。

それゆえ主はこう言われる、見よ、わたしは災を彼らの上に下す。彼らはそれを免れることはできない。彼らがわたしを呼んでも、わたしは聞かない

まさにテザードたちがオリジナルの人間に対して報復を行うことを表しているように感じます。

また、1111という数字の並びはオリジナルとテザードの対称的な姿や、家族4人またはテザード側の4人を表しているようにも見えます。

ハンズ・アクロス・アメリカ

冒頭や終盤に登場する人々が手をつなぐ様子は、30年以上前にアメリカで行われたチャリティーイベントのようです。

ハンズ・アクロス・アメリカ(英語: Hands Across America)は、1986年5月25日、15分間にわたり、アメリカ合衆国本土で人々が手をつないで人間の鎖をつくったチャリティー・イベントである。

(中略)

1986年5月25日の太平洋夏時間の正午に、ハンズ・アクロス・アメリカのイベントが始まった。数百万の人々が15分間にわたって手をつなぎ、「ウィ・アー・ザ・ワールド」、「アメリカ・ザ・ビューティフル」、「ハンズ・アクロス・アメリカ」を歌った。

(中略)

イベントの参加者数は、AP通信の調査によれば約4,924,000名、『タイム』によれば600万人以上とされている。人間の鎖の長さは4,152マイルに及んだ。

(中略)

ハンズ・アクロス・アメリカの列に加わる人は10ドルから35ドルを寄付し、見返りとして記念のTシャツを手に入れることができた。

Wikipediaより引用

当時はものすごい数の人々が参加したようです。

このイベントの目的は、ホームレスと飢えを救済するために寄付金を集めること。

寄付をした人には記念のTシャツが配られたということで、本作でテザードたちが一様に同じ服を着ていることに関係しているかもしれません。

「我々はアメリカ人だ」

レッドはアデレードたち家族の前で「我々はアメリカ人だ」と語ります。

つまり、地上にいる者も、地下にいる者も皆同じアメリカ人で、このような格差などあってはならないということかと思います。

そして、これはご覧になった方は気づく方も多いと思いますが、タイトルの「Us(私たち)」は同時に「United States(アメリカ)」を表しています。

「我々はアメリカ人だ」というセリフにレッドの主張、そしてジョーダン・ピール監督が本作に込めたメッセージの多くが詰まっていると言えます。

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まとめ

ここまでをまとめると、

魂がないと思われていたテザードたちも1人のオリジナルの人間

アデレードだけでなくジェイソンも入れ替わっていた可能性あり

「Us」というタイトルに込められたメッセージ

いかがだったでしょうか。

単なるホラーではない、ジョーダン・ピール監督特有のメッセージ性の強い内容が魅力の本作。

ホラー要素だけでも楽しめますが、シーンに込められた意味やメッセージを知るとまた違った楽しさがあると思います。

それでは!

 

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