<画像引用元:GIZMODE>
究極の孤独
映画が大好きです。もじやま(@mojiyamacinema)です。
今回は「ゼロ・グラビティ」をあらすじとともにレビューしていきます。
本作は宇宙空間を孤独に漂うことになってしまった宇宙飛行士の奮闘を描いたSFサバイバル。
大量の宇宙デブリ(宇宙を漂うゴミ)が飛んできたことによりシャトルが破壊され、地球へ帰る手段を失うところからはじまります。
色んなレビューを見ていると、色々ツッコミどころがあるという意見もありますが、個人的には「そんなに気になるかな?」といった感じ。
一歩間違えば即宇宙空間に投げ出される極限の状況。
とめどなく襲いかかるスリルを体感できる良作です。
もくじ
「ゼロ・グラビティ」の監督・キャスト
監督/アルフォンソ・キュアロン
<キャスト>
ライアン・ストーン博士/サンドラ・ブロック
マット・コワルスキー/ジョージ・クルーニー
あらすじ
地表から600キロメートルも離れた宇宙で、ミッションを遂行していたメディカルエンジニアのライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)とベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)。すると、スペースシャトルが大破するという想定外の事故が発生し、二人は一本のロープでつながれたまま漆黒の無重力空間へと放り出される。地球に戻る交通手段であったスペースシャトルを失い、残された酸素も2時間分しかない絶望的な状況で、彼らは懸命に生還する方法を探っていく。
シネマトゥデイようり引用
「ゼロ・グラビティ」を観た感想
はじめて本作を鑑賞したときは、何度も生死を分ける瞬間がやってきてハラハラしっぱなしでした。
どのシーンも「でもどうせ助かるんでしょ?」という考えが全く浮かばないほどの緊張感。
宇宙空間で一人、助けもなしという極限の状況にそこらのホラー映画なんかよりもずっと恐怖を感じます。
登場人物は2人のみ

本作の特徴の一つとして、登場人物が非常に少ないということが挙げられます。
どれだけ少ないかというと、たったの二人。
冒頭で主人公とともにミッションにあたる乗組員が数名いますが、大破した人工衛星の破片により乗ってきた宇宙船が破壊、二人を残して全員命を落とします。
この部分は本作のストーリーにおける前提条件のようなもので、そこからが本編といったところ。
本作は残された二人、ライアンとマットがどのようにして生き延び、地球に帰るかというお話です。
登場人物が少ないことで、自然とストーリーの内容もコンパクトにわかりやすく収まっています。
人によっては物足りなく感じるかもしれませんが、本作に限ってはこの登場人物の少なさが孤独感や恐怖を生み出している要素の一つなので、とても重要な部分です。
宇宙空間にたった一人の恐怖

というわけでライアン、マットの二人が悪戦苦闘しながら生還する方法を探し出すのですが、なんと途中でとあることから離れ離れになってしまい、ライアン一人に。
二人なら絶望的ながらもお互いに無線で声を掛け合い、励まし合うこともできました。
それが宇宙空間にたった一人ともなればガラリと状況が変わります。
無音で助けもなく、どこにも連絡が取れず、誰かが通りかかることもありません。
しかもモノにあふれる地上とは違い、無重力の宇宙空間には基本的になにもありません。
ひとたび気を緩めれば漆黒の闇の中という、この”無”の世界でどうにかして生還への糸口を探るライアン。
猛獣や怪物に襲われたり、崖から落ちたり、そんなことよりもずっと恐ろしい世界に思えます。
“無”にこそ真の恐怖があると、本作を観て強く感じました。
驚異の長回しシーン、撮影方法は

冒頭13分間をはじめ、本作にはいくつか長回しのシーンがあります。
長回しというのは、カットした映像のつなぎ合わせではなく、長い時間カメラを回し続けた映像のこと。
本作のアルフォンソ・キュアロン監督はそういった長回しのテクニックが持ち味の一つ。
もちろん今回も長回しを多用し、観ている人もまるでその場にいるような臨場感を生み出しています。
しかし、今回の撮影には苦労したようで、その方法はかなり特殊。
宇宙空間の微妙な調光のために、LEDライトで内側を覆った”ライトボックス”と呼ばれる独自の装置を使用しています。
その中で俳優が演技し、それを撮影することで本作は成り立っています。
さらに俳優の演技に関しても、宇宙空間や宇宙ステーション内といった無重力空間で移動したり、回転したりする動作を自然に表現するための工夫があります。
俳優を先ほどのライトボックスの中で複数のワイヤーでつなぎ、機械を使って傾けたり、回転させたりさせています。
サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニーはこの特殊な撮影に長期間をかけて慣れながら、自分の演技を見事に融合させました。
ツッコミどころ?そんなものはない

色々なレビューを見ていると、本作にはいくつか“ツッコミどころ”があるのだそう。
例えばスペースシャトルの飛行角度が実際と違うだとか、宇宙ステーションのハッチの開け方が違うといったことらしい。
確かにそういった分野に詳しい人なら気になる部分もあるのかもしれません。
ですが、個人的にはそのツッコミは神経質になりすぎだと断言します。
キュアロン監督は何も科学的知見に基づいた緻密な映画を作ろうとしたわけではありません。
彼が作ったのは学術的な教材ビデオではなく、魅力的に表現した芸術作品です。
まあ例えばいきなりスプーンが胴体を貫通したらツッコミを入れたくなるかもしれませんが、本作を鑑賞していてツッコミどころなんてありません。
僕は航空宇宙力学に詳しくないですし、何も違和感なく作品を楽しめました。
最初から最後までスリル満点ですし、最後は感動的です。
臨場感あふれる映像とともにしっかり体感できるはずですのでご安心を。
みんなの評価
他サイトでの評価は以下のとおり。
Filmarks:星3.6
Yahoo!映画:星3.67
映画.com:星3.9
なかなかの評価ですが、人によって好みが分かれそうですね。映画.comが最も評価が高いです。

まとめ
ここまでをまとめると、
必要最低限の登場人物でコンパクトなストーリー
驚きの撮影技法を用いた長回しに注目
ツッコミどころなんてない、魅力的な表現
いかがだったでしょうか。
宇宙にたった一人取り残されたらどうなってしまうのか・・・。
想像しただけで胃が縮みそうです。
そんな究極の孤独と恐怖を描いた本作、モンスター映画やディザスター映画は見飽きてしまったという方にぜひオススメしたいです。
まだ体験していないであろうスリルが待っているはず。
それでは!

映画やドラマの視聴におすすめな主要VOD4社の特徴をまとめて比較しました。
VODを利用してみたいけど、どれが自分に合うのかわからないという方はぜひチェックしてみてください。